集中力と映画館

集中力というものが欠落している。

子供の頃からそれは変わっていないと思うけれど、「校正」という集中することを強いられ続ける仕事についたせいで、その欠点をまじまじと実感することが増えてきた。といってもこの仕事初めて3年ほどになるから、集中できていない自分対策が充実してきて大きな事故は起こしていないのでセーフということにしたい。(なんなら自分のミスをごまかす腕も上がった)


ちょっと話は変わるけれど、この前久しぶりにふらっと映画館に寄った。
チケットを買って、開場までぶらぶら。
開場したら、コーヒーを買って飲みながら席でぼーっ。
あとは映画が始まって2時間ほど映画を見た。
ペンタゴン・ペーパーズ」という映画だったと思う。面白かった。

2時間ほど何か一つのことに集中し続けることは、普段の生活ではなかなかない。家で漫画を読んでいてもスマホをチラ見してしまうし、好きなゲームをしてる最中でさえTwitterやネットニュースを横目で眺めながらだ。仕事中でさえ、ちょっとしたことで紙面・文章が頭から離れていく。集中力がないせいなのか、そもそも集中する気がないせいなのか、きつい縛りがなければ気持ちはあらゆる方向へ迷走する。

映画館で映画を見るという行為は自分にとっては良い縛りになった。映画が始まってしまえばスマホも見られないし、周りの邪魔はすまいと物音をたてないように気を使う。姿勢だって頻繁には変えられない。となると映画を見るしかない。仕事中は節操のないもう一人の自分が命令してくる。
「映画に集中するのです」

この映画を見ることだけに集中した2時間を久しぶりに味わった。なんとなく見に行った映画だったけれど、他のことをしている2時間とは密度が違う。この濃密な時間を2時間もずずずと吸いつづけると、なんとも気持ちいい感覚が胸に広がった。生活していく上でこういった感覚を味わえる時間を増やすことができれば、人生が少し良い感じに彩られる気がする。

自分が集中して何かと向き合っていられる時間をできるだけ作るようにしたい。

これからは定期的に映画館に足を運ぼうと思った。