Pepperって何するロボットなの

子供の頃憧れてた未来がどんなものだったかと言えば、絶対にガンダム的な世界だった。
あれから小説・漫画・アニメで『SFっぽい』世界の作品がずっと好きだけれど、
やっぱり現実世界は物足りない。全然ガンダム的じゃないもの。Pepperとか望んでないもの。
そういえばビックカメラにあるPepperが女児を前に「ロボットなのにこんなに滑らかに腰が動くんですよー」と、
腰を振り始めた時…いや、自分の心が汚れているだけか。

それでも分かり易く自分が望むような未来を感じられることの一つが人工知能関連の技術なんじゃないかなと思う。
将棋や囲碁でヒトに勝つとか華々しいことをやってるけど、裏ではもっとすごいことが進みつつある…んでしょう?
典型的文系脳なんで、具体的にどういうことをやって、だから何がすごいっていうのを理論立てて理解・説明できないのが悔しいけれど、何かすごいって…ほら、本に書いてあった。

だけど今回話したいのは、華々しいほうの話。いや、実際華々しいのかは知らないけど。

この前、謎の囲碁AI(らしきもの)が登場して、プロ棋士に善戦した既存のAIを圧倒したというニュースを見かけた。

headlines.yahoo.co.jp

このニュースを見て「ヒカルの碁」を読んだことがある人なら、ピンと来るものがあるはず。
(簡単に説明すると主人公に取り憑いた幽霊が囲碁のネット対戦で一時期だけ名前を轟かせるっていう展開があった)

AIが無ければ(もしくは流行っていなければ)「こいつは一体何者なんだ…」ってなったはずが、
現状「どうせAIなんでしょう」ってなってることにもったいなさを感じてしまう。
そして本来未来にロマンを感じて生きてきたはずなのに、未来にロマンを殺されている事象に目撃してしまった感じ。
この気まずさが気持ち悪い。

まだAIより人の方が強いとしても(将棋に至ってはまずこの前提が崩れ始めてるけど)、いずれAIがゲームを解き明かしてしまう可能性があるということがとても無粋なことに思えてしまう。
完全な手順を掘り尽くされることがなかったとしても、戦術研究などに使われるようになるのはもう免れられない。
裸一貫定石を積み上げてきたはずなのに、ここまで来て近道しちゃっていいの?
強くなることが目的で手段を選ぶ必要がないっていうなら、囲碁将棋が持つ文化的な一面を捨てることになる気がするんだけど、それは素人の浅はかな考えなのかな。
人工知能が便利なのはわかるし、これからも必要になっていく技術なんだろうけど、思考停止で何にでもってなっちゃうとそれこそ人間なんて必要なくなっちゃうし。

無駄で、レトロで、古臭い部分程大切にしなきゃいけない時代になってきているのかね。

こんなことならPepperが腰を振っているのを眺めて満足しておけばよかったと思っても遅いんですからね。